このlit羅尼の名は所説の陀羅尼の末遣にある「無死なる鼓の音声よ,スヴァーハ。
(amrtadundubhiJ:! svare svaha) Jによるものである。ちなみに,成道後の釈迦がベナレ
スへ向かう途中に出会った, プージーヴィカ教徒ウパカに対する教言にもこの語句は
含まれている。すなわち以下の通りである。
「われは一切にうち勝った者,一切を知る者である。一切のものごとに汚されて
いない。すべてを捨てて,妄執をなくしたから解脱している。みずから知ったな
らば,だれを〔師と]めざすであろうか。われには師は存在しない。われに似た
者は存在しない。神々を含めた世界のうちに,われに比敵し得る者は存在しな
い。われこそは世間において尊敬されるべき人である。われは無上の師で、ある。
われは唯一なる正等覚者である。われは清涼となり,やすらいに帰している。法
28 係;教大学総合研究所紀要別1清 浄土教典籍の研究
輸を転ぜんがために,わたくしはカーシー(=ベナレス)の町に往く。妄暗の世
界において不死の鼓をうたう(Pa.andhabhutasmi lokasmim ahanhi amatadudrabhin
tilo J (中村元訳)1)
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/SK/2006/SK20061L027.pdf#search='%E5%A9%86%E9%9B%A2+%E9%98%BF%E5%A9%86%E9%9B%A2'