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금강보계장. 금강보계비결장.

VIS VITALIS 2018. 9. 19. 14:37

金剛宝戒章
こんごうほうかいしょう/金剛宝戒章
三巻。伝法然述。『金剛宝戒訓授章』『金剛宝戒釈義章』『金剛宝戒秘決章』からなるが、成立当初は『訓授章』『釈義章』からなる二巻本であった。道光『拾遺漢語灯録』(大徳寺本)の跋文によると、「黒谷の鎮西へ遣わす状」において、法然が、本書は偽書であり、釈迦弥陀を証としてこのようなことは述べていないと断言しているという(『浄土宗学研究』二〇・六七)。おそらくは一三世紀初頭に成立したとみられる。また『訓授章』「第七授戒」に南岳以後の相承を記しているなかで法然が湛空に戒を授けたと記していることから、本書の作者は湛空の流れを受けたものであろうと考えられる。

【所収】昭法全、続浄一三

【参考】大橋俊雄「『金剛宝戒章』の成立について—伝法然上人撰述書研究其二—」(印仏研究一〇—二、一九六二)、石田瑞麿「『金剛宝戒章』の成立とその思想」(『奥田慈応先生喜寿記念 仏教思想論集』平楽寺書店、一九七六)

【参照項目】➡金剛宝戒訓授章、金剛宝戒釈義章、金剛宝戒秘決章

【執筆者:曽田俊弘】



金剛宝戒秘決章
こんごうほうかいひけつしょう/金剛宝戒秘決章
一巻。伝法然述。『金剛宝戒章』下にあたる。『金剛宝戒章』は成立当初は『訓授章』『釈義章』からなる二巻本であった。そのため本書は他の二巻よりも遅れて成立したとみられるが、少なくとも道光が『黒谷上人語灯録』を編輯した文永一一年(一二七四)には三巻本の体裁で存在していた。本書は証空や源智、幸西など八名の門弟が発問するのに対して、法然が決答を与えるという形式をとる。しかし法然の所説と異なるものがあり、また引用される文献は禅僧のものが多いため、本書は禅に関心をもつ念仏僧によって撰述されたものと考えられる。

【所収】昭法全、続浄一三

【参考】大橋俊雄「『金剛宝戒章』の成立について—伝法然上人撰述書研究其二—」(印仏研究一〇—二、一九六二)、石田瑞麿「『金剛宝戒章』の成立とその思想」(『奥田慈応先生喜寿記念 仏教思想論集』平楽寺書店、一九七六)

【参照項目】➡金剛宝戒章

【執筆者:曽田俊弘】