吉野 弘(よしの ひろし、1926 - 2014) i was born, 祝婚歌, ゆうやけ [夕焼(け)]
吉野 弘(よしの ひろし、1926 - 2014)
大正15年1月16日生まれ。昭和18年帝国石油に入社。戦後労働組合運動に従事するが過労でたおれ,療養中に詩をかく。詩誌「櫂」同人。32年第1詩集「消息」を発表,やさしい日常的表現のなかに残酷な真実を明確にとらえ,47年「感傷旅行」で読売文学賞,平成2年「自然渋滞」で詩歌文学館賞。詩集はほかに「幻・方法」,詩論集に「遊動視点」など。平成26年1月15日死去。87歳。山形県出身。酒田商業卒。
詩人。山形県酒田市生まれ。酒田市立商業を卒業、石油会社に勤める。1952年(昭和27)『詩学』に載った『I was born』で注目される。これを機に『櫂(かい)』に参加。1957年、第一詩集『消息』を刊行。以後『幻(まぼろし)・方法』(1959)、『感傷旅行』(1971)、『陽(ひ)を浴びて』(1983)、『夢焼け』(1992)などの詩集を出した。詩はやさしい文体で日常のなかの生の不条理、またそれへの愛を歌ってナイーブ。機智(きち)にも富む。エッセイ集『詩への通路』(1980)や詩画集『生命は』(1996)などの著書もある。1971年(昭和46)『感傷旅行』で読売文学賞、1990年(平成2)『自然渋滞』(1989)で詩歌文学館賞を受賞。[安藤靖彦]
『『吉野弘詩集(現代詩文庫12)』『続・吉野弘詩集(現代詩文庫119)』『続続・吉野弘詩集(現代詩文庫123)』(1968、1994、1994・思潮社) ▽小海永二著『現代詩の鑑賞と研究』(1970・有精堂出版) ▽清岡卓行著『抒情の前線――戦後詩人十人の本質』(1970・新潮社) ▽『吉野弘詩集 陽を浴びて』(1983・花神社) ▽『花神ブックス2 吉野弘』(1986・花神社) ▽『詩集 自然渋滞』(1989・花神社) ▽『詩集 夢焼け』(1992・花神社) ▽『吉野弘全詩集』(1994・青土社) ▽谷口幸三郎・絵『詩画集 生命は』(1996・ザイロ) ▽八木祥光・写真『そしえて写真詩集 木が風に』(1998・そしえて)』
저녁놀
ㅡ요시노 히로시 (吉野 弘)
여느 때처럼
전차는 만원이었다.
그리고
여느 때처럼
젊은이[若者 わかもの, 청년] 와 아가씨[娘, むすめ]가 자리에 앉고
늙은이[年寄(り), としより]가 서 있었다.
외면하고 있던 아가씨가 일어나
늙은이에게 자리를 양보하였다.
엉기엉기(そそくさと는 냉큼, 허둥지둥의 뜻이니 오역인듯) 늙은이가 앉았다.
고맙다는 말도 없이 늙은이는 다음 역에서 내렸다.
아가씨는 앉았다.
다른 늙은이가 아가씨 앞에
밀려왔다.
아가씨는 외면하였다.
그러나
다시 일어나
자리를
늙은이에게 양보하였다.
늙은이는 다음 역에서 고맙다는 말을 하고 내렸다.
아가씨는 앉았다.
두 번 있는 일은 또 있다는 말처럼
다른 늙은이가 아가씨 앞에
밀려왔다.
안스럽게도
아가씨는 외면하고
이번에는 자리에서 일어나지 않았다.
다음 역도
다음 역도
아래 입술을 꽉 깨물고
몸이 얼어붙은 채ㅡ.
나는 전차에서 내렸다.
아가씨는 어디까지 갔을까.
착한 마음을 지닌 사람은
언제나 어디서나
뜻하지 않게 수난자가 된다.
왜냐하면
착한 마음을 지닌 사람은
타인의 괴로움을 자기의 괴로움처럼
느끼기 때문에.
착한 마음의 꾸짖음을 들으며
아가씨는 어디까지 갔을까.
아래 입술을 꽉 깨물고
쓰라린 마음으로
아름다운 저녁놀도 보지 않으면서.
[작자]
요시노 히로시(吉野 弘, 1926-2014)는 제2차 세계대전 종전 이후 노동운동에 열중하였다. 잡지 “詩學(시학)”에 ‘I was born’을 투고하여 주목을 받음. 시집 <소식>, <幻(환). 방법>, <感傷(감상)여행>, <바람이 불면> 등.
[출처] 274. 저녁놀 ㅡ요시노 히로시 (吉野 弘) (1)|작성자 고전지기
いつものことだが
電車は満員だった
そして
いつものことだが
若者と娘が腰をおろし
としよりが立っていた。
うつむいていた娘が立って
としよりに席をゆずった。
そそくさととしよりが坐った。
例もいわずにとしよりは次の液で降りた。
娘は坐った。
別のとしよりが娘の前に
横あいから押されてきた。
娘はうつむいた。
しかし
又立って
席を
そのとしよりにゆずった。
としよりは次の駅で例を言って降りた。
娘は坐った。
二度あることは と言う通り
別のとしよりが娘の前に
押し出された。
可哀相に
娘はうつむいて
そして今度は席を立たなかった。
次の駅も
次の駅も
下唇をキュッと噛んで
身体をこわばらせて--。
僕は電車を降りた。
固くなってうつむいて
娘はどこまで行ったろう。
やさしい心の持主は
いつでもどこでも
われにもあらず受難者となる。
何故って
やさしい心の持主は
他人のつらさを自分のつらさのように
感じるから。
やさしい心に責められながら
娘はどこまでゆけるだろう。
下唇を噛んで
つらい気持で
美しい夕焼けも見ないで。
출처: https://varacapra.tistory.com/59 [atmavictu]
祝婚歌
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
i was born
분명 영어를 배우기 시작하고 얼마 되지 않은 무렵이었다.
어느 여름날 저녁, 아버지와 함께 절 경내를 걷고 있을 때, 푸른 저녁 안개 속에서 떠오르듯이 하얀 여자가 이쪽으로 다가왔다. 나른하고 천천히.
여자는 몸이 무거워 보였다. 아버지의 눈치를 살피면서도 나는 그녀의 배에서 눈을 떼지 못했다. 머리를 아래로 향한 태아의 유연한 움직임을 배 언저리에서 연상하며 곧 세상에 태어날 그 신비에 사로잡혀 있었다.
여자는 지나갔다.
소년의 상상은 비약하기 쉽다. 그때 나는 '태어난다'는 것이 확실히 수동태인 의미를 불현듯 이해했다. 나는 흥분해서 아버지에게 말했다.
"역시 'I was born.'이네요."
아버지는 의아한 표정으로 내 얼굴을 물끄러미 바라보았다. 나는 되풀이해 말했다.
"'I was born.'이라는 것, 수동형이에요. 정확히 말하면 인간은 태어나지는 것이에요. 자기 의지와는 상관없이."
그때 아버지는 어떤 놀라움을 느끼며 아들의 말을 들었을까. 아버지의 눈에는 나의 표정이 그저 순진하게만 비쳤을까. 그것을 짐작하기에는 나는 아직 너무 어렸다. 나에게 있어서 그것은 단순한 문법상의 발견에 지나지 않았으니까.
아버지는 잠시 말없이 걷다가 뜻밖의 이야기를 했다.
"하루살이라는 벌레는 태어나서 이삼 일 만에 죽는다는데, 그러면 도대체 무엇을 위해 세상에 나오는 것인가, 그런 것이 무척 궁금했던 적이 있었지."
나는 아버지를 쳐다보았다. 아버지가 말을 이었다.
"친구에게 그 얘기를 했더니 어느 날 이것이 하루살이 암컷이라며 확대경으로 보여 주었어. 설명에 의하면 입은 완전히 퇴화해서 먹이를 섭취하는 데 적합하지 않고, 위를 절개해 봐도 들어 있는 것은 공기뿐. 들여다보니 그 말 그대로였어. 그런데 알이 뱃속 가득 충만해 있어서 홀쭉한 가슴 부분까지 꽉 차 있었어. 그것은 마치 현기증 나도록 반복되는 삶과 죽음의 슬픔이 목구멍까지 차올라 있는 것처럼 보였어. 외로운 빛의 알들이었지. 내가 친구 쪽을 돌아보며 '알'이라고 하자 그도 고개를 끄덕이며 말했어. '안타까운 일이군.' 그 일이 있고 얼마 안 되었을 때였다. 네 엄마가 너를 낳고 곧바로 세상을 떠난 것은."
아버지의 그다음 말은 더 기억나지 않는다. 다만 하나의 통증처럼 아프게 내 뇌리에 꽂힌 것이 있었다.
홀쭉한 어머니의 가슴팍까지 숨 막히도록 가득 채우고 있던 나의 하얀 육체.
I was born
確か 英語を習い始めて間もない頃だ。
或る夏の宵。父と一緒に寺の境内を歩いてゆくと 青
い夕靄の奥から浮き出るように 白い女がこちらへやっ
てくる。物憂げに ゆっくりと。
女は身重らしかった。父に気兼ねをしながらも僕は女
の腹から眼を離さなかった。頭を下にした胎児の 柔軟
なうごめきを 腹のあたりに連想し それがやがて 世
に生まれ出ることの不思議に打たれていた。
女はゆき過ぎた。
少年の思いは飛躍しやすい。 その時 僕は<生まれ
る>ということが まさしく<受身>である訳を ふと
諒解した。僕は興奮して父に話しかけた。
----やっぱり I was born なんだね----
父は怪訝そうに僕の顔をのぞきこんだ。僕は繰り返し
た。
---- I was born さ。受身形だよ。正しく言うと人間は
生まれさせられるんだ。自分の意志ではないんだね----
その時 どんな驚きで 父は息子の言葉を聞いたか。
僕の表情が単に無邪気として父の顔にうつり得たか。そ
れを察するには 僕はまだ余りに幼なかった。僕にとっ
てこの事は文法上の単純な発見に過ぎなかったのだか
ら。
父は無言で暫く歩いた後 思いがけない話をした。
----蜉蝣という虫はね。生まれてから二、三日で死ぬん
だそうだが それなら一体 何の為に世の中へ出てくる
のかと そんな事がひどく気になった頃があってね----
僕は父を見た。父は続けた。
----友人にその話をしたら 或日 これが蜉蝣の雌だと
いって拡大鏡で見せてくれた。説明によると 口は全く
退化して食物を摂るに適しない。胃の腑を開いても 入
っているのは空気ばかり。見ると その通りなんだ。と
ころが 卵だけは腹の中にぎっしり充満していて ほっ
そりした胸の方にまで及んでいる。それはまるで 目ま
ぐるしく繰り返される生き死にの悲しみが 咽喉もとま
で こみあげているように見えるのだ。淋しい 光りの
粒々だったね。私が友人の方を振り向いて<卵>という
と 彼も肯いて答えた。<せつなげだね>。そんなことが
あってから間もなくのことだったんだよ。お母さんがお
前を生み落としてすぐに死なれたのは----。
父の話のそれからあとは もう覚えていない。ただひ
とつ痛みのように切なく 僕の脳裡に灼きついたものが
あった。
----ほっそりした母の 胸の方まで 息苦しくふさいで
いた白い僕の肉体----
(作者註:「淋しい 光りの粒々だったね」は
詩集「幻・方法」に再録のとき、「つめたい光の
粒々だったね」に改めました)
명사
- 1.
하루살이 .
- 2.
‘とんぼ(=
잠자리 )’의 옛이름 .
- 3.
단명 (短命)함[덧없음 ]의비유 .
淋
임질 림(임)/장마 림(임)
1. 임질(淋疾ㆍ痳疾: 임균이 일으키는 성병)
2. 장마(여름철에 여러 날을 계속해서 비가 내리는 현상이나 날씨)
3. 긴 모양
4. (물을)뿌리다
5. (물방울이)떨어지다
6. 잠기다
7. 젖다(물이 배어 축축하게 되다)
8. 성(盛)하고 많다
형성문자
霖(림)과 통자(通字). 뜻을 나타내는 삼수변(氵(=水, 氺)☞물)部와 음(音)을 나타내는 林(림)이 합(合)하여 이루어짐.
つめたい [冷たい]
1. 차갑다; 차다.(↔熱い) 2. 냉정[냉담]하다; 쌀쌀하다; 매몰하다.(↔暖かい)[문어형][ク]つめた-し
確か 英語を習い始めて間もない頃だ。 或る夏の宵。父と一緒に寺の境内を歩いてゆくと 青 女は身重らしかった。父に気兼ねをしながらも僕は女 女はゆき過ぎた。 少年の思いは飛躍しやすい。 その時 僕は<生まれ ----やっぱり I was born なんだね---- 父は無言で暫く歩いた後 思いがけない話をした。 父の話のそれからあとは もう覚えていない。ただひ
(作者註:「淋しい 光りの粒々だったね」は
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吉野 弘 「現代詩文庫」思潮社 |